谷底の寺から届いた月夜の歌
どんな伝承か
ある晩、著者が精神統一をしていると、月のよい夜のことで、突然、歌が聞こえてきた。家から三町ばかり離れた谷底にある一行院という寺の方角からで、そこではローフェ先生が霊的な体操を行っていた。届いたのは先生がいつも唱えている歌謡で、ひと節しか聞こえなかったが、たしかに先生の声だった。著者はこの奇怪さに驚いている。もっとも、その修法で治るはずだった自分の症状は、医者に診せると単なる脚気の合併症で、ビタミン剤の注射を打つと運動障害はたちどころに治ってしまったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
私の心霊術(長田幹彦・昭和中期(1940年代~1950年代推定))
幼少期の地獄極楽のぞきからくり(私の心霊術)/心霊術と降霊の実演/作家長田幹彦の心霊体験/交霊と幽霊との接触/明治〜昭和の心霊文化