皿を割ったお菊の幻聴と播磨の思惑
どんな伝承か
「いちまーい、にまーい」と古井戸から聞こえる、か細くすすり泣くような皿数えのお菊の声は、播磨をはじめ屋敷中の人々を震え上がらせる。お菊はもっぱら幻聴に訴え、手討ちにした播磨にもその姿は見せない。著者は、いくら使用人の命が安かった江戸時代とはいえ、家重代の皿を一枚こわしただけで手討ちにするのは理由不足だとして、岡本綺堂の戯曲のようにお菊と播磨に肉体関係があり、伯母の勧める縁談に不安を覚えたお菊が愛情を試そうとわざと皿をこわしたという解釈を紹介する。ただし直参旗本が召使いを奥方にすることは到底考えられず、播磨は持てあましたお菊を始末する絶好の口実に利用したのだろうと論じている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
怪談の科学――幻覚の心理を探る(中村希明・中村希明・精神医学・昭和(精神医学))
幽霊や怪異を脳と心理(幻覚)の科学で解明する。