ポケットから出た水晶珠の種
どんな伝承か
交霊会で霊媒の服部は、水晶珠を霊の力で手元へ引き寄せたと称した。だが脇に座っていた松代きぬ子は、服部が真っ暗な中でズボンのポケットから珠を取り出すのをはっきり見ていた。服部は「引き寄せたばかりで珠がまだ固まっておらず、表面がぷわぷわして温かい」と、水原にわざと耳打ちさせて客の注意を引いた。自分のポケットから出したのだから温かいのは当然だと、きぬ子は見抜いていた。著者はイギリスのウェブスターの例を思い合わせ、研究会として何らかの規約を設けねばならないと考えた。服部は水原を客引きに使い、霊占や治病で謝礼を得ていた形跡もあった。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
私の心霊術(長田幹彦・昭和中期(1940年代~1950年代推定))
幼少期の地獄極楽のぞきからくり(私の心霊術)/心霊術と降霊の実演/作家長田幹彦の心霊体験/交霊と幽霊との接触/明治〜昭和の心霊文化