撃たれて死ぬ夢と俯瞰する魂
どんな伝承か
大田区に住む六十三歳の女性は、二十五年ほど前にピストルで撃たれて死ぬ夢を見た。人通りの多い道を歩いていると、見ず知らずの男がすれちがいざまに撃ち、彼女は倒れた。あっと思ううちに自分は上からその場を見下ろしており、道に横たわって動かない人物が自分だと気づいた。死体を数人がのぞきこみ、撃った男は向こうへ歩いていく。追いかけて頭も背もなぐりつけたが男は何も感じず、声も届かない。魂だけになったのだと悟って途方に暮れたところで目が覚めた。ほかにも、花の咲く向こう岸へ渡ろうとすると水が逃げてしまう夢や、祖先の魂の集まりへ行って名を呼ばれる夢を見たという。いずれのときも病気ではなかった。
原典より
実は、夢の中で自分が死んで体外離脱するところを見たという例はもう一つある。—— 臨死体験(立花隆)(立花隆・臨死体験・ノンフィクション) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
臨死体験(立花隆)(立花隆・臨死体験・ノンフィクション)
『臨死体験(立花隆)』は、立花隆が著したノンフィクションである。一九九一年三月放送のNHKスペシャルのための取材を出発点に、日本と欧米の体験者の証言、キュブラー・ロスやムーディら研究者への聞き取り、「文藝春秋」連載中に寄せられた体験談を収める。体外離脱、光の体験、文化による体験の差、感覚遮断や脳の仕組みを章ごとに論じ、末尾で現実体験説と脳内現象説を比べたうえで、著者は基本的に脳内現象説に立つと述べる。