栓をした空瓶に満ちる霊水
どんな伝承か
わが国の物品引寄せ霊媒としては、山形県西田川郡稲生村の長南年恵が有名である。幼い頃から物欲がなく信仰心があつかった。明治三十二年頃から神がかりして飲食物を絶つこと二年、大小便も経水もなかった。家は病気治療や占いを依頼する人で門前市をなし、ときどき空中に気高い音楽が聞こえ、護符が降ってくることもあった。依頼者が名を付けた空瓶を持参すると、栓をしたまま十本、二十本、多いときは四十本もまとめて三宝に載せ神前に供える。祈願を始めて十分ほどで、一同の面前で霊水が各瓶に同時に詰まり、色は病に応じて違った。評判となって鶴岡警察署に収容されたが、数週間食物を拒んでも衰えず、証拠不十分で放免された。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
霊魂の世界 ― 心霊科学入門(板谷松樹・心霊科学入門・昭和)
第一章 心霊に関する記録と文献(古代人の霊魂観・幽霊を見た記録・キリスト教関係の心霊の記録・ルルドの奇蹟・わが国の心霊文献)をはじめ、心霊科学の諸現象を入門的に解説。各事例の冒頭に【日付】【場所】【人物】【状況】マーカー付きで網羅した心霊科学入門書。