安丹橋で手を上げる洋装の女
どんな伝承か
鶴岡市内のハイヤー運転手の間で、時ならぬ幽霊話が持ち切りになった。深夜、鶴岡と大山の間の県道を走り、安丹橋付近にさしかかると、三十歳ぐらいの洋装の美しい女が道端に立って手を上げる。乗せてくださいと言うので、どちらまでと聞くと、そのまま車のうしろへ回るようにして姿が消えてしまうという。出会ったという運転手も二人や三人にとどまらないとのことである。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 ― 偽汽車(松谷みよ子・現代民話考(ちくま文庫)・2003年(平成15年))
『現代民話考――偽汽車』は、松谷みよ子が編んだ『現代民話考』全十二巻の第三巻で、二〇〇三年一月付の文庫版まえがきを持つ筑摩書房の文庫版である。鉄道開通のころ狸や狐が汽車に化けたという偽汽車の話、船幽霊や幽霊船など海の怪談、タクシーの幽霊など自動車や列車の怪談と笑い話を、全国の回答者の聞き書きや新聞・雑誌・書籍から集める。三章それぞれの冒頭に考を置き、話ごとに本文と分布を並べて地名・話者・出典を添える。