池の主を祀る赤坂の鯰祭
どんな伝承か
大正四年六月、赤坂の聯隊で鯰の祭が営まれたと新聞が写真入りで報じた。営内の池の主とされていた鯰を、先年兵隊が打ち殺してしまい、その後は日射病が出るなど不吉な出来事が続いた。そこで聯隊が祭を行ったところ、凶事は拭うようにやんだという。ところがしばらく祭を絶やすと、また日射病が出はじめた。困った町内の有志が祭の再興を相談し、その日の午前十一時、隊内の稲荷社で兵隊たちも参列して祭が執り行われた。著者はこれを、狐狸の怪異が都会にも残っている例として引いている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
心霊哲学の現状(高橋五郎・1919年(大正8年))
『心霊哲学の現状』は、高橋五郎が大正八年に著した心霊研究の概説書である。英国のロッジが戦死した子レイモンドの霊と交わした冥界通信をはじめ、欧米の交霊術と霊媒の実例を訳して紹介し、日本の催眠術と千里眼の流行、御船千鶴子・長尾郁子の事件、霊光や念写までを論じる。篇と章に分け、心霊哲学とキリスト教、クリスチャン・サイエンス、淘宮術との関係や、太霊道など国内の霊術諸派も取り上げ、ところどころに評註を添える。