髪に飯をすりこむ女房オジョモ
どんな伝承か
昔、飯を食べない女房をもらいたいと願う男がいた。すると望みどおり、飯を食べないという嫁が来てくれた。ところが、どういうわけか家の飯がいつのまにかどっさり減っていく。男が不審に思って煙出しの所へ上がり、上からのぞいてみると、女は自分の頭の髪の中へ飯をすりこんでいた。その女房の正体はオジョモという化け物だったのだという。大多和の松山とりが語った短い昔話である。
原典より
そこで男が煙出しのところへ上って見ると、女は頭の髪の中へ御飯をすりこんどったそうな。—— ダムに沈む ―香川県長尾町前山地区民俗誌(武田明・高橋克夫ほか) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
ダムに沈む ―香川県長尾町前山地区民俗誌(武田明・高橋克夫ほか)
『ダムに沈む ―香川県長尾町前山地区民俗誌』は、武田明・高橋克夫らが香川県長尾町の前山地区の暮らしを記した民俗誌である。祭りの項に続く「口承文芸」の項を昔話と伝説・世間話に分け、昔話は星越・大多和・譲りはの古老の語りを話者の名を添えて土地の言葉のまま書きとめる。伝説と世間話には中津・大多和・ゆずりはなどの天狗石や川女郎、首切れ馬、桂洞法印の化物寺の話を収め、項の末尾に執筆者の名を記す。