熱海の旅館で耳元にささやく自殺者
どんな伝承か
同じ『娯楽よみうり』の別の頁に載った話。小説『海と毒薬』の作者遠藤周作は、友人の作家三浦朱門と熱海の旅館に泊まったとき、耳にぴたりと口を寄せた何者かに、つい最近この部屋で自殺したとささやかれたという。隣で寝ていた三浦も、冷たい手で頬をなでられて目を覚ますと、セルの着物を着た若い男が遠藤の上にのしかかっているのを確かに見たと語った。二人の芝居だと笑っていた遠藤の妻で作家の曽野綾子は、友人を誘って確かめに出かけたが、やはり耳元でささやかれて逃げ帰ったと伝えられる。
原典より
隣りに寝ていた三浦朱門氏も「冷たい手でホッペタをなぜられて目をさましたら、セルの着物を着た若い男が、君の上にのしかかっているのをたしかに見た」と言うのです。—— 霊界通信――超心理学入門(仁宮白雲(仁宮武夫)・仁宮武夫・心霊研究) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
霊界通信――超心理学入門(仁宮白雲(仁宮武夫)・仁宮武夫・心霊研究)
『霊界通信――超心理学入門』は、仁宮白雲の名で東洋書館から出た心霊研究と超心理学の入門書である。新聞・雑誌に載った幽霊の体験談、霊の手型や指紋、交差通信などの欧米の心霊研究、生まれ変わりの実例を集め、バーンスタインによる催眠退行の実験と「ブライデー・マーフィー」の録音記録を大きく紹介する。第一部で霊魂の存続、第二部と第四部でマーフィー事件とアイルランドの現地調査、第三部で死後の界層と超心理学を説き、巻末で読者に体験の報告を求める。