垂坂山の戦死者を弔う供養塔
どんな伝承か
現代の日本人がいまも強い霊魂信仰を持ち続けていることは、各地の慰霊祭や供養からも分かる。その例として著者は、五百年も昔の南北朝時代に古戦場となった三重県の垂坂山で、討ち死にした一千余名の霊を弔うため「無縁諸精霊供養塔」が建てられたことを挙げる。特別な動機があるわけでもなく、ほんのわずかな縁から行われる供養であるのに、世間はそれを少しも奇異に感じていないと著者は指摘している。
原典より
五○○年もむかし、南北朝時代に古戦場だった三重県垂坂山の戦死者一千余名の霊を弔うという 無縁諸精霊供養塔”建立などは、…—— 現代の迷信(今野圓輔・現代教養文庫・1961年(昭和36年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代の迷信(今野圓輔・現代教養文庫・1961年(昭和36年))
『現代の迷信』は、今野圓輔が昭和三十六年に著した、現代の俗信を一般の読者に向けて説いた読み物である。昭和三十年代の新聞・雑誌の報道や聞き書きを主な材料に、縁起かつぎ、前兆・占い・禁忌・まじない・願掛け、憑きもの落としの殺人や新興宗教の騒ぎまでを全国から拾い集めている。「現状」「過誤と真実」「その背景」「迷信論」の四部から成り、巻末に読者の問いに答える迷信身の上相談を付ける。