祐徳稲荷五万本と筥崎宮三万本の破魔矢
どんな伝承か
正月の初詣客に授けられる破魔矢の数について、著者は目にとまった記録を挙げている。京都の石清水八幡宮のおよそ二十万本、鎌倉八幡の十万本に続き、祐徳稲荷が五万本、同じ九州では福岡市の筥崎宮が三万本、東京深川の富岡八幡宮が一万本であった。これは正月の破魔矢の全部ではなく、たまたま筆者の目にふれた記録にすぎないので、実際にはもっと多くの神社が授け物として参拝者に破魔矢を渡しているにちがいないという。
原典より
以下いずれも昨年、ことしの初詣客用の本数だが、二番目が神奈川県鎌倉八幡の一〇万本、東京の明治神宮もだいたいそれぐらいかせぎ(三四年)、鹿児島市の祐徳稲荷さまが五万本、…—— 現代の迷信(今野圓輔・現代教養文庫・1961年(昭和36年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代の迷信(今野圓輔・現代教養文庫・1961年(昭和36年))
『現代の迷信』は、今野圓輔が昭和三十六年に著した、現代の俗信を一般の読者に向けて説いた読み物である。昭和三十年代の新聞・雑誌の報道や聞き書きを主な材料に、縁起かつぎ、前兆・占い・禁忌・まじない・願掛け、憑きもの落としの殺人や新興宗教の騒ぎまでを全国から拾い集めている。「現状」「過誤と真実」「その背景」「迷信論」の四部から成り、巻末に読者の問いに答える迷信身の上相談を付ける。