花が多い年は落第生が増えた白木蓮
どんな伝承か
福岡県久留米市の明善高校がまだ旧制中学だったころ、校庭に「落第花」と呼ばれる白木蓮の木があった。同校に二十年勤めた大石亀次郎先生によれば、大正二、三年ごろから、この木に花がたくさんつく年は決まって落第生が多く出たため、そう呼ばれるようになったという。職員室の先生たちは毎年つぼみの数を見ては一喜一憂した。散る花びらが頭に当たると落第するという別の言い伝えもあり、生徒たちはこの木のそばに寄りつかなかったとも伝わる。
原典より
福岡県久留米市の明善高校がまだ旧制の中学だったころの話だが、校庭に落第花(らくだいばな)と呼ばれていた白木蓮(しろもくれん)の木があった。—— 現代の迷信(今野圓輔・現代教養文庫・1961年(昭和36年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代の迷信(今野圓輔・現代教養文庫・1961年(昭和36年))
『現代の迷信』は、今野圓輔が昭和三十六年に著した、現代の俗信を一般の読者に向けて説いた読み物である。昭和三十年代の新聞・雑誌の報道や聞き書きを主な材料に、縁起かつぎ、前兆・占い・禁忌・まじない・願掛け、憑きもの落としの殺人や新興宗教の騒ぎまでを全国から拾い集めている。「現状」「過誤と真実」「その背景」「迷信論」の四部から成り、巻末に読者の問いに答える迷信身の上相談を付ける。