ご神体を質入れした大日本教団
どんな伝承か
新興宗教のなかには、形だけ宗教団体を装い、信者から集めた金銭を元手に他の事業へ投じるだけのインチキ企業もあると筆者は述べる。その例として挙げられるのが東京五反田の大日本教団で、昭和二七年、ご神体を質に入れ、匿名組合「日本勧業殖産金庫」を兼業したうえ、一億八〇〇〇万円の詐欺のうたがいで検挙された。宗教活動以外の事業に失敗すれば法律違反に問われ、そのまま潰れるほかない類の教団だったという。
原典より
昭和二七年、ご神体を質にいれ、匿名(とくめい)組合 日本勧業殖産金庫 を兼業し、一億八○○○万円の詐欺のうたがいで検挙された東京五反田の大日本教団。—— 現代の迷信(今野圓輔・現代教養文庫・1961年(昭和36年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代の迷信(今野圓輔・現代教養文庫・1961年(昭和36年))
『現代の迷信』は、今野圓輔が昭和三十六年に著した、現代の俗信を一般の読者に向けて説いた読み物である。昭和三十年代の新聞・雑誌の報道や聞き書きを主な材料に、縁起かつぎ、前兆・占い・禁忌・まじない・願掛け、憑きもの落としの殺人や新興宗教の騒ぎまでを全国から拾い集めている。「現状」「過誤と真実」「その背景」「迷信論」の四部から成り、巻末に読者の問いに答える迷信身の上相談を付ける。