汚れた空気を恐れた和楽事件
どんな伝承か
新興宗教が信者に害毒を流し悲劇を生む例として、殺人教として事件化したものが各地にあった。京都では、昭和二八年五月、お茶屋で実行教の信者が、娘に汚れた空気を吸わせないようにと、その娘を絞め殺した「和楽事件」が起こっている。同じ時期、青森県東津軽郡高田村ではオシラ神のお告げを信じて息子夫婦を殺傷した事件、群馬県多野郡では疫痢の子の手あてを拒んで死亡させた事件など、神託や信仰を動機とする殺人が各地で相次いだと記録されている。
原典より
京都のお茶屋で、娘に汚れた空気を吸わせないようにと絞殺した昭和二八年五月の実行教信者による 和楽事件”。—— 現代の迷信(今野圓輔・現代教養文庫・1961年(昭和36年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代の迷信(今野圓輔・現代教養文庫・1961年(昭和36年))
『現代の迷信』は、今野圓輔が昭和三十六年に著した、現代の俗信を一般の読者に向けて説いた読み物である。昭和三十年代の新聞・雑誌の報道や聞き書きを主な材料に、縁起かつぎ、前兆・占い・禁忌・まじない・願掛け、憑きもの落としの殺人や新興宗教の騒ぎまでを全国から拾い集めている。「現状」「過誤と真実」「その背景」「迷信論」の四部から成り、巻末に読者の問いに答える迷信身の上相談を付ける。