八丈島で猫が見せる火
どんな伝承か
本土では狐火と呼ぶものが、八丈島では猫の見せる火だと語られている。二十歳の青年が、島では夜中に猫が火を見せると書き送り、これは科学で説明がつくのかと尋ねた。答える側は、狐の涎に含まれる燐が光るという昔からの説明は誤りだとし、目の錯覚か別の火か光ではないかと退けている。ただし、飼われている猫が夜になると魔性をあらわして山中に群れ集まるという島の言い伝えは、人と猫の関わりを考えるうえで貴重な資料であり、妖怪の歴史の問題だと述べている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代の迷信(今野圓輔・今野圓輔・民俗学・昭和(高度成長期))
民俗学者・今野圓輔が高度成長期の日本に残る迷信を社会派ルポとして告発・分析した一冊。序章では、静岡県掛川市で異性双生児を畜生腹と恥じた母親の母子心中事件、青森県三本木市でキツネ落としと称して女を火あぶりにした殺人事件など、迷信が現代も殺人・心中を生む『黒い習俗』を突きつける。