悪魔を寄せない九本の年取り木
どんな伝承か
十二月十三日に、マキやクヌギを年取り木として九本伐ってきてしまっておき、年取りの晩にそれを焚く。そうすれば悪魔が来ないという。著者は、ヌルデを年木とする前の事例と比べても同じ働きが浮かび上がるとし、門松の根元に置かれる薪や注連飾りに付ける木炭なども、年木と無縁ではないのかもしれないと述べている。
原典より
十二月十三日には年取り木(マキ・クヌギ)を九本取ってきてしまっておき、年取りの晩に焚く。—— 厄除け――日本人の霊魂観(佐々木勝・民俗学・厄除け信仰・1988年(昭和63年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
厄除け――日本人の霊魂観(佐々木勝・民俗学・厄除け信仰・1988年(昭和63年))
『厄除け――日本人の霊魂観』は、佐々木勝が昭和六十三年に名著出版から刊行した民俗信仰の論考集である。鬼・悪魔・疱瘡神・一つ目小僧など人に災いをもたらす神霊を「厄神」と総称し、その来訪を防ぐ呪術と祀り上げる祭祀を、著者の民俗調査と国学院大学民俗学研究会の採訪記録などの事例から説く。禁忌と呪術、百鬼夜行と目籠、鬼の宿と笹神様、年神とミタマの飯、厄年と年祝い、正月行事と司祭者など八章からなり、うち四章は書き下ろしである。