蚯蚓と蛇の目交換
どんな伝承か
備中町に伝わる由来譚。語り手は井上良一。昔、蛇には目玉がなく笛を持っており、ミミズは目玉を持っていた。世の中を見たい蛇は、ミミズに笛と目玉を取りかえようと持ちかけた。ミミズも蛇の鳴くような音を出してみたかったので承知したが、これは目玉を欲しがる蛇がミミズをだましたのであった。ミミズの目玉を得た蛇は、目があるほうがよほど便利だと、あのすばやさでシュウシュウと逃げてしまった。それでミミズは早く動けず、その場で笛だけ持ってうごめくようになり、蛇の目玉は体のわりに小さいのだという。
原典より
ところが、蛇は、目玉が欲しいもんじゃけえ、そういう風に言うて、ミミズぅだました訳なんじゃなあ。—— 備中町史 民俗編 より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
備中町史 民俗編
『備中町史 民俗編』は、備中町の町史のうち民俗を扱った編の一部である。語り手の名を添えた昔話「蚯蚓と蛇と眼交換」と、町に伝わる伝説の解説、方言の一覧の書き出しを収める。伝説の項は、伝説と昔話の違いを述べたうえで、弘法大師の石芋や三度栗、トリガネの池の水蜘蛛話、天神山の天神様、越山の六地蔵、吉備津彦の黒鳥退治、人待田などを短く紹介する。