人間の盆に塩鯖を食べる身祝い
どんな伝承か
香川県の三豊郡では、七月十四日を人間の盆と呼び、家族の着物を一枚ずつ洗う。両親がそろっている者は、この日に身祝いとして塩鯖を食べるという。柳田国男はこれを、不幸な境遇の者と同じ暮らしをするのを嫌ったための習わしと説いたが、著者は、生臭物を口にして精進の身ではないことを示すものにすぎないとみている。
原典より
香川県三豊郡では、七月十四日を人間の盆だといって家人の着物を一枚ずつ洗い、両親ある者は身祝いに塩鯖を食べる。—— 厄除け――日本人の霊魂観(佐々木勝・民俗学・厄除け信仰・1988年(昭和63年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
厄除け――日本人の霊魂観(佐々木勝・民俗学・厄除け信仰・1988年(昭和63年))
『厄除け――日本人の霊魂観』は、佐々木勝が昭和六十三年に名著出版から刊行した民俗信仰の論考集である。鬼・悪魔・疱瘡神・一つ目小僧など人に災いをもたらす神霊を「厄神」と総称し、その来訪を防ぐ呪術と祀り上げる祭祀を、著者の民俗調査と国学院大学民俗学研究会の採訪記録などの事例から説く。禁忌と呪術、百鬼夜行と目籠、鬼の宿と笹神様、年神とミタマの飯、厄年と年祝い、正月行事と司祭者など八章からなり、うち四章は書き下ろしである。