甲冑のまま葬られた砂子姫の塚
どんな伝承か
飯岡村大字羽場に砂子塚という高さ五尺ばかりの円塚があり、その上に一本杉が立っている。これは昔の飯岡城主、飯岡正太郎の娘、砂子姫の墓だと言い伝えられている。砂子姫は男勝りの勇者で、敵軍に向かって三十八騎を斬り伏せたが、ついに多勢に無勢でかなわず戦死した。それゆえ甲冑のまま逆さに葬り、塚を築いたものがこの砂子塚であるという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
農民俚譚(佐々木喜善(著)・本山桂川(編)・佐々木喜善・東北民俗・1934年(昭和9年))
『農民俚譚』は、佐々木喜善が書きためた昔話や伝説を、その没後に本山桂川が編んで昭和九年に刊行した本である。陸中の和賀郡・岩手郡・胆沢郡で集めた炭焼長者や瘤取爺などの昔話に、河童・山男・山女・人柱・蛇にまつわる伝説、地蔵の話、異類に嫁ぐ女の話を記した「縁女綺聞」、紫波郡の口碑による「鳥蟲木石伝」などを収める。郡ごとの昔話には大正十三年の日付の前書きが付き、巻末に本山桂川の追想「佐佐木喜善君の遺業と其晩年」を置く。