荒い若者を好む早池峯の末の女神
どんな伝承か
遠野の六角牛山の女神は、もとは三人の美しい姉妹の神で、一番末の妹が早池峯山の女神だと言われる。この末の女神は年も一番若く美しく、勝ち気で、若い男にはつい乱暴をなさるという信仰がある。だから荒々しく元気にあふれた若者を好まれ、この山に登るときはできるだけ荒っぽく振る舞うのがよく、道中の村々の娘や若い女にたわむれてもかまわない、それこそが山の女神の喜ばれることだと信じられている。
原典より
若くつて荒い元気の満々た男を喜ばれて、此の山をかける際には出来るだけ荒々しく乱暴な事をすればよい。—— 佐々木喜善全集 1(佐々木喜善・佐々木喜善全集・1986年(昭和61年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
佐々木喜善全集 1(佐々木喜善・佐々木喜善全集・1986年(昭和61年))
『佐々木喜善全集 1』は、佐々木喜善の著作を遠野市立博物館が編集・発行し、昭和六十一年に刊行した全集の第一巻である。岩手県の遠野・江刺・紫波・岩手などで聞き集めたザシキワラシの話、昔話、伝説を、村の古老や知友からの聞き書きと手紙による報告をもとに収める。「奥州のザシキワラシの話」「江刺郡昔話」「紫波郡昔話」「東奥異聞」「老媼夜譚」「聴耳草紙」に小篇を加えて並べ、巻末に遠野市教育長の跋と奥付を置く。