和尚の睦言を写した小僧の言い訳
どんな伝承か
寺で飼う二頭の雌馬を、和尚は夏になると小僧に山へ放させた。小僧が留守の間、和尚は門前のおそよを呼んで戯れ、乳房を二つ森、臍を勝平、その下を毛ぶか林と言わせていた。それを窓の下で盗み見ていた小僧は、翌日から馬を木につないで昼寝をし、日暮れになって帰った。遅くなった理由を問われると、馬が逃げたので山の向こうの二つ森から勝平へ、さらに毛ぶか林まで探しに行っていたと答えた。和尚は本当のことと思い、何も言えなかった。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
佐々木喜善全集 1(佐々木喜善・佐々木喜善全集・1986年(昭和61年))
『佐々木喜善全集 1』は、佐々木喜善の著作を遠野市立博物館が編集・発行し、昭和六十一年に刊行した全集の第一巻である。岩手県の遠野・江刺・紫波・岩手などで聞き集めたザシキワラシの話、昔話、伝説を、村の古老や知友からの聞き書きと手紙による報告をもとに収める。「奥州のザシキワラシの話」「江刺郡昔話」「紫波郡昔話」「東奥異聞」「老媼夜譚」「聴耳草紙」に小篇を加えて並べ、巻末に遠野市教育長の跋と奥付を置く。