舅家で失敗を重ねる馬鹿智殿
どんな伝承か
薄馬鹿と評判の婿が、舅の家へ行くたびに失敗を重ねる。銭を貰えば鴨に投げつけて失い、馬を貰えば財布に入れようとして打ち殺し、茶釜は縄で引き摺って壊し、下女は帯を提げて泣かせ、屏風は道端に立てて宥めながら帰り、牛は担ごうとして突き飛ばされる。嫁の入れ知恵で竹に虎と言い、大根は根も葉も食えると褒めて感心されるが、合図の縄を猫が引いたために同じ文句を言い続けて地が出た。ほかに枕を人の名と思い込む話、茶釜に用を足して抜けなくなる話など、婿の間抜けぶりを重ねた小話が二十余り並ぶ。
原典より
嫁の実家に呼ばれて行つてソバケァ餅(蕎麦搔餅)を御馳走になつた。—— 佐々木喜善全集 1(佐々木喜善・佐々木喜善全集・1986年(昭和61年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
佐々木喜善全集 1(佐々木喜善・佐々木喜善全集・1986年(昭和61年))
『佐々木喜善全集 1』は、佐々木喜善の著作を遠野市立博物館が編集・発行し、昭和六十一年に刊行した全集の第一巻である。岩手県の遠野・江刺・紫波・岩手などで聞き集めたザシキワラシの話、昔話、伝説を、村の古老や知友からの聞き書きと手紙による報告をもとに収める。「奥州のザシキワラシの話」「江刺郡昔話」「紫波郡昔話」「東奥異聞」「老媼夜譚」「聴耳草紙」に小篇を加えて並べ、巻末に遠野市教育長の跋と奥付を置く。