布団を剥がれた先の真赤な子供
どんな伝承か
羽後北部のある町で、工藤某という人の叔父が若年の時、ザシキボッコに遭遇したことがあるという。深夜、突然に布団をはがされたので驚いて起き上がると、二尺四五寸ばかりの真赤な顔をした子供が、座敷中をとたとたと歩き回っているのを見たという。子供たちまで臥せっている時分のことなので、出ないのが事実ではなかろうかとも言われている。この話は同村の高橋清次郎からの書翰によるもので、著者が奥羽各地へ問合状を出して集めたザシキワラシの分布報告の一つとして載せられている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
佐々木喜善全集 1(佐々木喜善・佐々木喜善全集・1986年(昭和61年))
『佐々木喜善全集 1』は、佐々木喜善の著作を遠野市立博物館が編集・発行し、昭和六十一年に刊行した全集の第一巻である。岩手県の遠野・江刺・紫波・岩手などで聞き集めたザシキワラシの話、昔話、伝説を、村の古老や知友からの聞き書きと手紙による報告をもとに収める。「奥州のザシキワラシの話」「江刺郡昔話」「紫波郡昔話」「東奥異聞」「老媼夜譚」「聴耳草紙」に小篇を加えて並べ、巻末に遠野市教育長の跋と奥付を置く。