厄年の四十二歳はセリを口にしない
どんな伝承か
秋田県の山本郡のあたりでは、男の大厄とされる四十二歳の年には、セリを口にしてはならないと言い伝えられている。著者は、厄年の人がセリ抜きの七草粥を食べる川崎大師の故事とは関わりのない言い伝えのようだとしている。
原典より
そうした故事とは無関係のようだが、秋田県山本郡や静岡県御殿場市、鳥取県岩美郡あたりでも、四十二歳の厄年にはセリを食べてはいけないといわれている。—— 厄除け――日本人の霊魂観(佐々木勝・民俗学・厄除け信仰・1988年(昭和63年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
厄除け――日本人の霊魂観(佐々木勝・民俗学・厄除け信仰・1988年(昭和63年))
『厄除け――日本人の霊魂観』は、佐々木勝が昭和六十三年に名著出版から刊行した民俗信仰の論考集である。鬼・悪魔・疱瘡神・一つ目小僧など人に災いをもたらす神霊を「厄神」と総称し、その来訪を防ぐ呪術と祀り上げる祭祀を、著者の民俗調査と国学院大学民俗学研究会の採訪記録などの事例から説く。禁忌と呪術、百鬼夜行と目籠、鬼の宿と笹神様、年神とミタマの飯、厄年と年祝い、正月行事と司祭者など八章からなり、うち四章は書き下ろしである。