盗人と鳴った姑の屁
どんな伝承か
秋の夜長、姑と兄嫁と弟嫁の三人が行燈を真中にして麻糸を績んでいた。姑が誤って屁をひると、その音が「盗人」と鳴った。兄嫁が可笑しがって腰をよじると、これもまた音を立てる。弟嫁が屈むと、続けて音がした。皆が寝入ってから忍び込むつもりで潜んでいた盗人は、それを聞いて自分の企てが覚られたと思い込み、そのまま逃げ去ったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
佐々木喜善全集 1(佐々木喜善・佐々木喜善全集・1986年(昭和61年))
『佐々木喜善全集 1』は、佐々木喜善の著作を遠野市立博物館が編集・発行し、昭和六十一年に刊行した全集の第一巻である。岩手県の遠野・江刺・紫波・岩手などで聞き集めたザシキワラシの話、昔話、伝説を、村の古老や知友からの聞き書きと手紙による報告をもとに収める。「奥州のザシキワラシの話」「江刺郡昔話」「紫波郡昔話」「東奥異聞」「老媼夜譚」「聴耳草紙」に小篇を加えて並べ、巻末に遠野市教育長の跋と奥付を置く。