井戸に閉じ込められた桑原の雷
どんな伝承か
雷が鳴ると「くわばら」と唱えるわけを説く俗説の一つに、和泉名所図会に見える話がある。和泉国の桑原という土地で、雷が落ちた先は井戸の中だった。村人たちはすかさず井戸に蓋をかぶせて雷を閉じ込めてしまう。雷が、もう二度とこの土地には落ちないと誓ったので、村人は許して出してやった。それからというもの、桑原の名を唱えると雷のほうが逃げていくようになったと伝わる。
原典より
また和泉名所図絵には、この国の桑原というところに雷が落ちたが、それは井戸の中、村人は蓋をしてしまう。—— 佐久町誌 民俗編――俗信(佐久町(編)・佐久町誌) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
佐久町誌 民俗編――俗信(佐久町(編)・佐久町誌)
『佐久町誌 民俗編――俗信』は、十石峠から横岳に及ぶ佐久町の町誌のうち、町内の俗信を扱った民俗編の一部である。大日向・余地・高野町・上区・花岡など各地区で採集した天候や作柄、火事や死の予兆、夢と縁起、易者や戸隠神社の御籤による占い、厄病よけや雷よけのまじない、死や産にかかわる忌み、ものもらいの民間療法などを記す。予知(予兆)・占いと呪い・物忌み・民間療法の節に分け、項目ごとに地区の言い伝えを地区名とともに並べる。