お産が長引くと裏返す便所の踏み板
どんな伝承か
佐倉市の旧村では、産や後産がひどく長引くと、便所の踏板をひっくり返したという。便所神と箒神はお産に立ち会ってくれる神だとされ、便所をいつもきれいにしておくと美しい子が生まれるといって、常に草箒を置いて清めていた。そのため箒の上に座ったり、箒で人を打ったりすることは戒められた。踏板をなぜひっくり返すのかは分からないが、産が長引く非常事態を便所神に訴えたのであろうと、話者の女たちは語り合っていたという。
原典より
またお産や後産がひどく長引くと、便所の踏板をひっくり返したという。—— 佐倉市史 民俗編――伝説・怪異(佐倉市(編)・佐倉市史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
佐倉市史 民俗編――伝説・怪異(佐倉市(編)・佐倉市史)
『佐倉市史 民俗編――伝説・怪異』は、千葉県佐倉市の市史の民俗編のうち、第七章「民俗知識」と第八章「口承文芸」の伝説の節である。市内で採録した吉凶の予兆やまじない、民間薬、天気の言い伝えと、狐や狸の化かし、デーダラボーの足跡、岩富の首なし塚、天狗、狐火、印旛沼のカワボタルなどの伝説を収める。伝説は文化財保護委員会の分類に倣って自然伝説・歴史的伝説・信仰伝説に分け、終わりに村々の禁忌を置く。