五丈の楠の根元に住んだ人食い大蛇
どんな伝承か
臼井の八幡様のそばに、幹回り五丈あまりの楠と、その東に一丈ほどの楠があった。八幡宮造営記によれば、臼井興胤がこの地を定めたとき、手にしていた楠の小枝を地面に挿し、これが根づいて葉を出せば神が守ってくださる証としようと誓った。枝はしだいに茂り、ついに五丈の大木になったという。この楠の根元には大蛇がすみ、ときどき人を捕らえて食っていた。誰が退治したのかはわからないが、その皮だという鱗つきのものが実蔵院に納められていたという。舟で昼寝をしていた漁師の九右衛門を呑もうとしたのも、この大蛇である。
原典より
この楠の木の根もとに大蛇が住み、時々、人を捕えては食っていたが、…—— 佐倉市史 民俗編――伝説・怪異(佐倉市(編)・佐倉市史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
佐倉市史 民俗編――伝説・怪異(佐倉市(編)・佐倉市史)
『佐倉市史 民俗編――伝説・怪異』は、千葉県佐倉市の市史の民俗編のうち、第七章「民俗知識」と第八章「口承文芸」の伝説の節である。市内で採録した吉凶の予兆やまじない、民間薬、天気の言い伝えと、狐や狸の化かし、デーダラボーの足跡、岩富の首なし塚、天狗、狐火、印旛沼のカワボタルなどの伝説を収める。伝説は文化財保護委員会の分類に倣って自然伝説・歴史的伝説・信仰伝説に分け、終わりに村々の禁忌を置く。