沼上に張り出した楠の枝で昼寝中の漁師を大蛇が呑もうとした瞬間
どんな伝承か
佐倉市臼井の臼井八幡宮の裏には大きな楠があり、その枝が印旛沼の上に張り出して昼も薄暗かった。ある夏の日、漁師の九右衛門が舟で昼寝をしていると、枝の上から大蛇(オロチ)が一呑みにしようと窺っていた。ちょうどその時、九右衛門は夢に杖をついた白髪の老人が現れ、名を呼ばれてはっと目を覚まし、頭上の恐ろしさに夢中で舟を漕いで逃げ、九死に一生を得たという。九右衛門は家屋敷や家財の一切を売り、八幡様が好むという白馬を買って奉納した。オロチの鱗は実蔵院に伝わるという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
佐倉市史 民俗編――伝説・怪異(佐倉市(編)・佐倉市史・自治体史(民俗))
『佐倉市史 民俗編』第八章口承文芸所収の伝説・怪異。千葉県佐倉市に伝わる口承を採録する。