男根形の御神体を砕いた者に下る神罰
どんな伝承か
太田権現の御神体は男性の陰茎の形をしており、祈願成就の礼にはこれを模造して奉納する習わしであったから、奉納物はおびただしい数となって保管小屋の周りにも散乱するほどになった。こんな淫らなものは即刻取り払えという厳しいお達しがあり、村人は何とか阻止しようと嘆願したが認められず、役人の命ずるままに土中へ埋めたり焼却したりし、御神体そのものも三つの石塊に打ち砕かれてしまった。村人は神罰を恐れて悲嘆にくれたが、果たして罰は手伝った名主に最初に来た。打ち砕いたその日その時、名主の家は突如火災となり全焼した。役人も人夫もこれに携わった者はことごとく不慮の死を遂げ、以後かえって参詣者は急激に増えたという。
原典より
打ちくだいたその日その時、名主の家は突如として火災となり全焼してしまった。—— 佐倉市史 民俗編――伝説・怪異(佐倉市(編)・佐倉市史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
佐倉市史 民俗編――伝説・怪異(佐倉市(編)・佐倉市史)
『佐倉市史 民俗編――伝説・怪異』は、千葉県佐倉市の市史の民俗編のうち、第七章「民俗知識」と第八章「口承文芸」の伝説の節である。市内で採録した吉凶の予兆やまじない、民間薬、天気の言い伝えと、狐や狸の化かし、デーダラボーの足跡、岩富の首なし塚、天狗、狐火、印旛沼のカワボタルなどの伝説を収める。伝説は文化財保護委員会の分類に倣って自然伝説・歴史的伝説・信仰伝説に分け、終わりに村々の禁忌を置く。