男根形の御神体と奉納物を役人の命で打ち砕き埋却したところ
どんな伝承か
太田権現の御神体は男性の陰茎の形をしており、祈願成就の礼にはこれを模造して奉納する習わしであったから、奉納物はおびただしい数となって保管小屋の周りにも散乱するほどになった。こんな淫らなものは即刻取り払えという厳しいお達しがあり、村人は何とか阻止しようと嘆願したが認められず、役人の命ずるままに土中へ埋めたり焼却したりし、御神体そのものも三つの石塊に打ち砕かれてしまった。村人は神罰を恐れて悲嘆にくれたが、果たして罰は手伝った名主に最初に来た。打ち砕いたその日その時、名主の家は突如火災となり全焼した。役人も人夫もこれに携わった者はことごとく不慮の死を遂げ、以後かえって参詣者は急激に増えたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
佐倉市史 民俗編――伝説・怪異(佐倉市(編)・佐倉市史・自治体史(民俗))
『佐倉市史 民俗編』第八章口承文芸所収の伝説・怪異。千葉県佐倉市に伝わる口承を採録する。