演習場の原で人を迷わせる狐
どんな伝承か
かつて下志津原には陸軍の演習場があり、四街道の方へ向かう手前の原では、人がよく道に迷って歩き回ったという。そうしたときは腰を下ろして煙草を吸うとよいとされ、狐は煙草が嫌いだから帰り道に一服するのだと言われた。語り手は、座って一服すれば気持ちが落ち着くからだろうとも話している。
原典より
そいでね、四街道方面さ行った手前になると、原でもってよく迷い歩いたっちゅうことなんですよね。—— 勝田の民俗――千葉県八千代市勝田(民俗調査報告 第8号・民俗調査報告) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
勝田の民俗――千葉県八千代市勝田(民俗調査報告 第8号・民俗調査報告)
『勝田の民俗――千葉県八千代市勝田』は、民俗調査報告の第8号として勝田の民俗を調べた報告書のうち、「VII 口承文芸」の部分である。昔話・伝説・世間話・なぞの四節に分け、狐女房と女化神社の由来が結びついた昔話、親が汲むと酒になる「子は清水」や佐倉惣五郎の伝説、狐やムジナに化かされた話、狐憑き、神隠し、カマイタチ、幽霊、力石などの世間話を、話者からの聞き書きで収める。多くの話に話者名と生年を添え、狐女房と「子は清水」には解説を付す。