夜泣きに効く如意輪観音のヨダレカケ
どんな伝承か
旧安養寺新田村には如意輪観音堂があり、『白河風土記』は縁日を四月十九日と記している。聞き取りでは四月九日が縁日で、講を組まず個人でお参りをした。この如意輪観音は子供の夜泣きに効験があるといわれ、参る者はヨダレカケを持って行き、前に供えられていたヨダレカケと交換してきた。子の夜泣きに悩む親が、堂に掛かっていた前のヨダレカケを受けて我が子に用いたのである。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
天栄村史 第4巻(民俗編)――憑依と怪異・呪術(天栄村(編)・天栄村史)
『天栄村史 第4巻(民俗編)――憑依と怪異・呪術』は、岩瀬郡天栄村が編んだ村史のうち民俗を扱う巻である。第八章「信仰伝承」では、旧村ごとの鎮守と鎮守以外の神々、寺院・仏堂・修験、家や生業の神々、道切りなどの呪術と禁忌、口寄せをするワカドノ、キツネツキ、オシンメイサマ、小豆洗いなどの妖怪、講を扱う。『白河風土記』や明治十一年の神社明細帳の記載と土地での聞き書きを照らし、近世から近代への移り変わりを記す。