通れば闇に迷う行人作田
どんな伝承か
飯豊の行人作田はヤチ、つまり湿地であった。そこは普段から気味の悪い所とされ、通り抜けようとすると辺りが急に真っ暗になり、方角を見失ったという。この村には同じように忌まれる土地がいくつもあり、かつて首切り場だった場所が水田になった所では、その田を持つ家に病人が絶えないと語られていた。畑の中の一本の木にも、そこで人が殺されたという由来がついて、耕すことさえ許されない土地があった。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
天栄村史 第4巻(民俗編)――憑依と怪異・呪術(天栄村(編)・天栄村史)
『天栄村史 第4巻(民俗編)――憑依と怪異・呪術』は、岩瀬郡天栄村が編んだ村史のうち民俗を扱う巻である。第八章「信仰伝承」では、旧村ごとの鎮守と鎮守以外の神々、寺院・仏堂・修験、家や生業の神々、道切りなどの呪術と禁忌、口寄せをするワカドノ、キツネツキ、オシンメイサマ、小豆洗いなどの妖怪、講を扱う。『白河風土記』や明治十一年の神社明細帳の記載と土地での聞き書きを照らし、近世から近代への移り変わりを記す。