指先から白い虫が出る虫封じ
どんな伝承か
佐々木春江神子の覚え書きにある疳の虫封じは、小児の両の手のひらに「虫」という字を書くところからはじまる。「恩場更 焼視や運」と口に唱えながら子供に手を握らせ、その上からかたく握り、「南無春の鬼」と言って手を放す。すると子供の指先から細く白い虫が出て、自然になおるのだという。同じ覚え書きには、小児が虫を起こしたときや物に驚いたときの呪文、夜泣きを止める呪もあり、子供の不調が虫の仕業として扱われていたことがうかがえる。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
宮古市史 民俗編 上巻――民間宗教者・俗信・妖怪(宮古市(編)・宮古市史)
『宮古市史 民俗編 上巻――民間宗教者・俗信・妖怪』は、宮古市の市史のうち、民俗編上巻の第四節「民間宗教者」と第五節「民間医療と俗信」を収めたものである。南部藩の宗門帳などの古文書から閉伊郡の山伏・神子・瞽女と里修験の成り立ちをたどり、イタコ・カミツキと呼ばれる巫女の系統、新宗教、民間薬、予兆・占い・まじない・禁忌を述べる。俗信の末尾には座敷童子・カッパ・キツネ・モウコ(幽霊)・オシラサマなどの話を、地区名を添えて箇条で並べる。