地震のない揺れが続いた鶴間荘
どんな伝承か
昭和五十一年六月一日午後八時、立川駅から北へ約一キロ、立川市高松町三丁目の木造モルタル二階建てアパート「鶴間荘」で、一階二号室の主婦が子供に添い寝をしていると、突然箪笥がきしみ電灯が大きく縦に揺れ、窓ガラスが激しい音を立てた。地震と直感して隣の家主宅へ避難したが、そちらは静まり返っている。戻っても揺れは続き、駆けつけた警察官も驚いたが、気象庁に問い合わせてもその時刻に地震はなかった。揺れるのは六世帯中の一階二号室と三号室だけで、コップの水は一滴もこぼれなかった。震動は四回起こり、下水管も防空壕跡も調べたが原因不明のまま止んだ。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
妖怪の民俗学――日本の見えない空間(宮田登・宮田登・民俗学・昭和(現代民俗学))
民俗学者・宮田登が、妖怪を『日本の見えない空間』の問題として論じた現代民俗学の名著。Ⅰ妖怪のとらえ方では、柳田国男『妖怪談義』の妖怪論(妖怪は出る場所が決まり、零落した神)と、幽霊(都市の人間関係から相手を追って出る)との区別、昭和五十四年に流行した口裂け女(受験社会で母に叱られる子供の心意の投影、『喰わず女房』の鬼女の再来)と産女、島根県松江の雲州皿屋敷のお菊、明治の井上円了の妖怪学と真怪・仮怪の分類を扱う。