通夜の部屋の前で止まる足音
どんな伝承か
群馬県沼田市の人が語った話である。その兄が立川の学校の寮にいたころ、寮生の一人が事故で亡くなった。翌日から休みに入るので他の学生はすでに帰省しており、誰も死を知らない。やむなく兄がたった一人で通夜をすることになった。あたりは物音ひとつなく静まりかえっている。そのうち廊下を歩く足音が近づいてきて、部屋の前でぴたりと止んだ。誰か来たのだろうと戸を開けてみたが、そこには誰の姿もない。遺体の前に戻ってこらえていると、また同じ足音が来て止まる。その晩は二度三度と繰り返された。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本怪談集 幽霊篇(今野圓輔・今野圓輔・日本怪談集・昭和(怪談集成))
日本各地の幽霊・人魂・生霊の実話怪談を十章+幽霊外伝に分類して集成する。