馬小屋の二階から落ちた寝小便小僧
どんな伝承か
富岡のあるお寺に、大変な寝小便たれで寝ぼけ癖のある小僧がいた。和尚がいくら注意しても毎晩寝小便をするので、寺じゅうが臭くなってしまう。困った和尚は、小僧を馬小屋の二階に寝泊まりさせることにした。ところが小僧は安心してかえって何度も寝小便を繰り返し、ついに二階のねだ板が腐ってしまう。ある晩、馬の寝ているすぐそばでメリメリ、ドッスーンと大きな音がして、小僧が寝たまま二階から落ちてきた。馬は驚いてはね起き、板を蹴ったり跳ねたりの大騒ぎとなった。和尚たちが駆けつけても、当の本人は気づかずまた寝てしまい、ようやく目を覚ますと「和尚さん、大変です。馬が二階へのぼって来ました」と言ったという。
原典より
昔、あるお寺に、大へん寝小便たれで、ねぼけっくせのある小僧がいました。—— 富岡市史 民俗編――昔話・伝説・世間話(富岡市(編)・富岡市史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
富岡市史 民俗編――昔話・伝説・世間話(富岡市(編)・富岡市史)
『富岡市史 民俗編――昔話・伝説・世間話』は、富岡市が編んだ市史の民俗編のうち、民俗知識の章の末尾と口頭伝承の章を収めたものである。口頭伝承の章は、昭和四十年代以降の中学校郷土部の採話や額部地区の民俗調査、市史編さんの調査で聞き取った昔話・伝説・世間話と、富岡・甘楽方言の解説から成る。伝説は自然的・社会的・信仰的の三つに分け、羊太夫や小野小町、貫前神社にまつわる話と多くの地名起源を載せる。