おとうかに化かされて帰れない小野の人
どんな伝承か
君川で聞かれた昭和の初めごろの話。夜、戸を叩く音がするので出てみると小野の人が立っていて、おとうか、すなわち狐に化かされて家に帰れないと訴えた。道を間違えたのだろうと思って道順を教えて送り出したが、一時間ほどしてまた戻ってきて、やはり帰れないと言う。そこで今度は一緒について行き、ようやく家まで送り届けたが、当人は最後まで狐に化かされたのだと言い張っていたという。
原典より
昭和の始め頃だが、夜、戸をたたく音がするので出てみると、小野の人がいた。—— 富岡市史 民俗編――昔話・伝説・世間話(富岡市(編)・富岡市史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
富岡市史 民俗編――昔話・伝説・世間話(富岡市(編)・富岡市史)
『富岡市史 民俗編――昔話・伝説・世間話』は、富岡市が編んだ市史の民俗編のうち、民俗知識の章の末尾と口頭伝承の章を収めたものである。口頭伝承の章は、昭和四十年代以降の中学校郷土部の採話や額部地区の民俗調査、市史編さんの調査で聞き取った昔話・伝説・世間話と、富岡・甘楽方言の解説から成る。伝説は自然的・社会的・信仰的の三つに分け、羊太夫や小野小町、貫前神社にまつわる話と多くの地名起源を載せる。