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邪気に苦しむ中宮穏子と尊意の不動法

所在地京都府京都市
年代伝承(口承)
登場藤原穏子、尊意、成明親王、醍醐天皇、邪気に苦しんだ醍醐天皇の中宮、不動法を修した護持僧、生まれた皇子・のちの村上天皇、中宮穏子の夫の天皇
出典日本人の霊魂観――鎮魂と禁欲の精神史

どんな伝承か

延長三年、醍醐天皇の中宮穏子が再び身ごもった。出産の迫った五月、邪気のせいかと思われるほど激しく苦しみ悶え、命さえ危ぶまれる有様となった。そこで、先の御産で安産を祈った護持僧の尊意がまた召され、前と同じく七日間の不動法を修した。やがて六月一日、皇子の成明親王が無事に生まれた。のちの村上天皇である。尊意の密教の呪法は日照りや水難の厄払い、都に広がる疫病の鎮めにも効き目を見せ、醍醐天皇の信任をいっそう厚くしたという。

原典より

つづいて延長三年中宮穏子はふたたび懐妊し、出産が近づいた五月には邪気によるためか懊悩がはなはだしく、生命が危殆に瀕した。—— 日本人の霊魂観――鎮魂と禁欲の精神史(山折哲雄・山折哲雄・宗教学・1976年(昭和51年)) より引用
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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

日本人の霊魂観――鎮魂と禁欲の精神史(山折哲雄・山折哲雄・宗教学・1976年(昭和51年))

『日本人の霊魂観――鎮魂と禁欲の精神史』は、山折哲雄が霊魂と身体の相関を軸に日本人の霊魂観を論じた論考集で、あとがきは一九七六年六月の日付である。序章で和辻哲郎・津田左右吉・折口信夫・柳田国男らの霊魂論を検討し、『日本霊異記』の蘇生説話にみる遊離魂と殯、天皇の病と看病僧の呪法、平安宮廷の物のけと不動法、源信『往生要集』の観想を各章で論じる。雑誌に発表した論文をまとめ、巻末に物のけ現象の資料と憑霊年表を付す。

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