豊後で捕らえた河童の図
どんな伝承か
寛永年間に豊後の日田で捕らえた河童を描いた図があり、その原本は鍋島摂津守の家にあって、それを写したという記録がある。図の説明によれば、頭の皿には蛤のような蓋があってかぶると深さ一寸ほどになり、歯は亀に似て奥歯は上下四枚の尖った歯、背は甲羅のようで、脇腹にある柔らかな筋を押さえると動けなくなる。手足を縮めると亀のように甲の中へ入り、手足の節は表にも裏にも自由に曲がる。尾は一寸四五分の尖ったもので、ひどく生臭いと記されている。『筠庭雑録』からの引用である。
原典より
寛永年中豊後の日田にて捕へし河童の岡は鍋島攝津守方の原本にあり、之より移載す。—— 動物界霊異誌(岡田建文・岡田建文・心霊研究・1927年(昭和2年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
動物界霊異誌(岡田建文・岡田建文・心霊研究・1927年(昭和2年))
『動物界霊異誌』は、岡田建文(蒼溟)が昭和二年に著し、郷土研究社から出した動物怪異の記録集である。二十余年にわたって集めた体験や同志の報告から、動物にまつわる怪異の事例を選び、山陰地方を中心とする明治・大正の見聞と、近世の随筆に見える記事を収める。蝦蟇・猫・河童・狐・狸と貉・外道(人狐)・蛇などの動物ごとに、解説・事例・古人の記述の順に並べ、心霊の立場からの考察を加える。