女に化けた子猫を告げて祟られた男
どんな伝承か
京都の本行院という寺へ、川口甚平という人が和尚を訪ねて来たとき、三匹の子猫が女に化けているのをふと目にした。驚いて和尚に知らせると、和尚もあわてて三匹とも寺から追い出した。すると猫たちは甚平を恨み、甚平はそれから何となく苦しみ始め、猫の面影がちらついて離れず、とうとう病みついて亡くなってしまったと『太平百物語』は語る。猫は執念深い生き物とされ、鍋島や有馬の猫騒動をはじめ、化け猫の話は数えきれないほど伝わっている。
原典より
京都の本行院という寺に、川口甚平という人が和尚に会いにきたとき、ふと三匹の子猫が女に化けているのを見た。—— 暮しの中の妖怪たち(岩井宏実・岩井宏実・民俗学・1986年(昭和61年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
暮しの中の妖怪たち(岩井宏実・岩井宏実・民俗学・1986年(昭和61年))
『暮しの中の妖怪たち』は、岩井宏實が昭和六十一年に著した妖怪の概説書である。鬼・天狗・河童から山姥、産女、雪女、怪火、ザシキワラシ、化け猫、狐狸、幽霊まで、各地の伝承や古典・絵画に見える妖怪を一つずつ取り上げ、その姿と仕業を説く。第I章で個々の妖怪を紹介し、第II章で妖怪の性格、出現の空間と時、正体を論じ、巻末に著者が資料とした妖怪の本の一覧とあとがきを置く。