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牛を狙った織田浜の河童の詫び証文

所在地福井県三方郡美浜町佐田(織田浜)
年代不明
登場吉岡家の先祖
出典暮しの中の妖怪たち

どんな伝承か

福井県三方郡佐田の吉岡家の先祖が、ある夕方、牛を海辺へ連れて行き水浴びさせようとしたが、その日に限って牛は海に入ろうとしない。仕方なく波打ち際で洗っていると、牛がしきりに後ろ脚を跳ね上げる。経を唱えはじめると、下げ髪の五、六歳ほどの子どもが牛の脚を引いているのが見えたので、捕らえて縛りあげた。それは織田浜の河童で、祇園祭のうちに人や家畜の尻子玉を祇園様へ供えねばならないのにまだ一つも取れず、牛を狙ったと白状した。打ち殺そうとすると、今後織田浜では害をしないと詫び、証文は明朝届けると言って去った。翌朝、門口に証文と新しい魚が置かれており、証文は水に映すと読めるという。

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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

暮しの中の妖怪たち(岩井宏実・岩井宏実・民俗学・1986年(昭和61年))

『暮しの中の妖怪たち』は、岩井宏實が昭和六十一年に著した妖怪の概説書である。鬼・天狗・河童から山姥、産女、雪女、怪火、ザシキワラシ、化け猫、狐狸、幽霊まで、各地の伝承や古典・絵画に見える妖怪を一つずつ取り上げ、その姿と仕業を説く。第I章で個々の妖怪を紹介し、第II章で妖怪の性格、出現の空間と時、正体を論じ、巻末に著者が資料とした妖怪の本の一覧とあとがきを置く。

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