草履がなく成仏できぬと訴えた姑
どんな伝承か
福井県三方郡美浜町で、信仰心の厚いあるおばあさんが心臓病で亡くなった。葬式を済ませて数日後のある夜、嫁の夢に亡くなったおばあさんが現れ、「弔いはありがたいが、草履を入れてもらえなかったのであの世へ成仏できず迷っている」と訴えた。驚いた家族が急いで墓へ行き草履を供えると、その夜からおばあさんは夢に現れなくなったという。回答者・金田久璋さんが福井県から寄せた話である。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 4 夢の知らせ・火の玉・ぬけ出した魂(松谷みよ子・現代民話考)
『現代民話考 4 夢の知らせ・火の玉・ぬけ出した魂』は、松谷みよ子が編んだ「現代民話考」の一冊である。日本民話の会の雑誌『民話の手帖』のアンケートへの回答や聞き書き、新聞・雑誌の記事から集めた、予知夢や死の知らせの夢、死者や神仏の夢告げ、死の前後に出る火の玉、生きている人から抜け出す魂の話を各地から収める。三章それぞれの冒頭に編者の論考「考」を置き、項目ごとに代表的な語りと、県別に並べた短い報告を話者・回答者・出典を添えて載せる。