祭壇に姉の写真がある夢
どんな伝承か
昭和五十五年、語り手の同級生が心臓病で急死した。その一週間ほど前、末の妹は、葬式の祭壇に姉の写真が飾られている夢を見ていた。亡くなった同級生は四人姉妹のうち二番目で、大阪へ嫁いでいた人である。同じ頃、深夜に主のわからない電話が二度続けて鳴り、母親が隣家の通夜に出ている間には、閉め切った部屋のカーテンが風にあおられたように揺れ動いたという。正月に帰省した折には、夫の姉に二人の子を頼むと泣いて頼んでもいた。後になって、あれが死の知らせだったと家族は語り合った。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 4 夢の知らせ・火の玉・ぬけ出した魂(松谷みよ子・現代民話考)
『現代民話考 4 夢の知らせ・火の玉・ぬけ出した魂』は、松谷みよ子が編んだ「現代民話考」の一冊である。日本民話の会の雑誌『民話の手帖』のアンケートへの回答や聞き書き、新聞・雑誌の記事から集めた、予知夢や死の知らせの夢、死者や神仏の夢告げ、死の前後に出る火の玉、生きている人から抜け出す魂の話を各地から収める。三章それぞれの冒頭に編者の論考「考」を置き、項目ごとに代表的な語りと、県別に並べた短い報告を話者・回答者・出典を添えて載せる。