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大槌往還の門前を過ぎた雪合羽

所在地岩手県遠野市土淵町山口
年代不明
登場長蔵と新張村の某、田尻長三郎、柳田國男、語り手、採録者
出典日本怪談集 幽霊篇

どんな伝承か

山口の田尻長三郎という人の話である。その家に奉公していた山口の長蔵は、今も七十余りの老翁で生きている。かつて夜遊びに出て遅く帰ってきたとき、主人の家の門は大槌往還に向いて立っているが、その門の前で浜の方から来る人に逢った。雪合羽を着ていた。近づいて立ち止まるので長蔵も怪しんで見ていると、往還を隔てた向こう側の畑地の方へすっと逸れて行った。あそこには垣根があるはずなのにと思ってよく見ると、垣根は確かにある。急に恐ろしくなって家に飛び込み、主人にこのことを語った。後で聞くと、同じ時刻に新張村の何某が浜からの帰り道で馬から落ちて死んだという。

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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

日本怪談集 幽霊篇(今野圓輔・今野圓輔・日本怪談集・1969年(昭和44年))

『日本怪談集 幽霊篇』は、今野圓輔が昭和四十四年に編んだ幽霊体験談の集成である。新聞・雑誌・単行本や民俗の報告、編者自身の採集から、影や物音、人魂、生霊、死の知らせ、皿屋敷、戦死者の霊、船幽霊、タクシーに乗る幽霊など、日本各地の人びとが見聞きした怪異を、作家の創作を除き原文を尊重して再録する。十章に分けて各章の頭に編者の解説と注を置き、巻末に産女や子育て幽霊を論じた「幽霊外伝」と木原浩勝の解説を付す。

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