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三途の川の渡し賃をねだる亡夫

所在地埼玉県児玉郡
登場角二郎、死者(夢に現れた夫)
出典現代民話考 4 夢の知らせ・火の玉・ぬけ出した魂

どんな伝承か

埼玉県児玉郡の角二郎さんは明治二十九年の生まれで、七十四歳で亡くなった。納棺のとき、妻は隠し銭を着物の裾に縫い込もうとしたが、甥がくだらないことはやめろと笑い、年寄りたちも、隠し銭は土葬のころのしきたりで、六道銭を首に掛けたのだから三途の川は渡れるだろうと言った。百か日の前夜の供養が済むと、うたた寝した妻の傍らに、夫がしょんぼり立っていた。三途の川を渡る前に急に金が要るのに一銭も持たせてくれず、仲間外れにされて行き場がないと嘆いて消えた。妻は翌朝、息子と墓へ行って一つかみの銭を埋め、それからは夫が夢で苦情を言うことはなくなったという。

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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

現代民話考 4 夢の知らせ・火の玉・ぬけ出した魂(松谷みよ子・現代民話考)

『現代民話考 4 夢の知らせ・火の玉・ぬけ出した魂』は、松谷みよ子が編んだ「現代民話考」の一冊である。日本民話の会の雑誌『民話の手帖』のアンケートへの回答や聞き書き、新聞・雑誌の記事から集めた、予知夢や死の知らせの夢、死者や神仏の夢告げ、死の前後に出る火の玉、生きている人から抜け出す魂の話を各地から収める。三章それぞれの冒頭に編者の論考「考」を置き、項目ごとに代表的な語りと、県別に並べた短い報告を話者・回答者・出典を添えて載せる。

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