中将姫を極楽へ迎える来迎橋
どんな伝承か
仏教の考えでは、橋は浄土とこの世を結び、また隔てる境でもある。奈良県北葛城郡当麻町の当麻寺では、五月十四日に練供養が営まれる。ふだん曼荼羅堂と呼ばれる本堂はこの日だけ極楽堂と呼ばれ、そこから中将姫の像を安置した娑婆堂まで来迎橋という橋が渡される。二十五菩薩が娑婆堂へ向かい、中将姫の像を迎えて来迎橋を渡り、極楽へ導く。この橋はまさに極楽と娑婆をつなぐ架け橋であり、二つの世界の境を示すものだという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
暮しの中の妖怪たち(岩井宏実・岩井宏実・民俗学・1986年(昭和61年))
『暮しの中の妖怪たち』は、岩井宏實が昭和六十一年に著した妖怪の概説書である。鬼・天狗・河童から山姥、産女、雪女、怪火、ザシキワラシ、化け猫、狐狸、幽霊まで、各地の伝承や古典・絵画に見える妖怪を一つずつ取り上げ、その姿と仕業を説く。第I章で個々の妖怪を紹介し、第II章で妖怪の性格、出現の空間と時、正体を論じ、巻末に著者が資料とした妖怪の本の一覧とあとがきを置く。