一夜で生えた曼荼羅の軸木の竹
どんな伝承か
中将姫は五メートルに及ぶ曼荼羅を織り上げたものの、巻くための軸木がなかった。何とかして軸を得たいと願い、この寺に何もさしよの一夜竹、一夜とまれど二夜とまらぬ、と一首を詠んだところ、その夜のうちに節のない若竹が一本、地面から生え出ていたという。また一説には、弘法大師が杖として携えてきたものをここに挿しておいたところ、一夜のうちに枝葉を出して育ったのだともいう。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第9巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第9巻』は、日本伝説大系編集委員会が編んだ伝説資料集の一巻である。三重・奈良・和歌山・大阪の各地に伝わる伝説を、三輪山・安珍清姫・弘法清水・油掛け地蔵など百余りの話型ごとに集める。各話型は例話を冒頭に据えて『日本伝説名彙』などとの対応を示し、〔類話〕に伝承地と出典つきの梗概を並べ、〔文献〕に近世以前の史料の原文を添えて補う構成をとる。