出征の願かけで建てた稲荷の鳥居
どんな伝承か
大歳神社の境内に祀られている稲荷は、もとは今の出雲第三中学校のあたりにあった若宮稲荷を、いまの場所へ移して祀り直したものだという。移した時期ははっきりせず、明治より後のことだとも、昭和三十年代のことだとも言われている。いま立っている稲荷の鳥居は、ある家の者が兵として出征することになったとき、無事を願って願をかけ、その証として建てたものである。
原典より
稲荷神社の現在の鳥居は家が出兵とする時願かけとして作ったものである。—— 島根県出雲市大塚町民俗調査報告書――俗信・憑きもの(出雲市(編)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
島根県出雲市大塚町民俗調査報告書――俗信・憑きもの(出雲市(編))
『島根県出雲市大塚町民俗調査報告書――俗信・憑きもの』は、出雲市大塚町の民俗調査報告書のうち、「XII 村の神」の章と「XIII 年中行事」の章の冒頭を収めたものである。氏神の大歳神社の祭りと由緒書、同族神・屋敷神・屋内神、札うち、講、寺、俗信、キツネに憑かれることを「サバラレル」と呼ぶ憑きもの、民間療法を、昭和五十七年ごろの聞き書きで記す。年中行事は正月準備から一月十一日の鎌初めまでで、文の途中で切れている。