病人が出て荒神に替えられた塚さん
どんな伝承か
大塚町で塚さんと呼ばれる塚神は、いずれも武士の墓という言い伝えを負っている。屋敷の内に祀る家がいくつかあり、玄関先に武士の墓として据える家もあれば、道端にあったものを昭和三十六年の土地改良で移した家もある。ある家では屋敷の南西に石を御神体として塚さんを祀っており、以前そばに大きな椎の木が立っていたことから、もとはその木が御神体だったともいわれた。ところが二十年ほど前、その家に病人が出たため、神主に拝んでもらったうえで、塚さんをやめて荒神さんを祀るように改めたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
島根県出雲市大塚町民俗調査報告書――俗信・憑きもの(出雲市(編))
『島根県出雲市大塚町民俗調査報告書――俗信・憑きもの』は、出雲市大塚町の民俗調査報告書のうち、「XII 村の神」の章と「XIII 年中行事」の章の冒頭を収めたものである。氏神の大歳神社の祭りと由緒書、同族神・屋敷神・屋内神、札うち、講、寺、俗信、キツネに憑かれることを「サバラレル」と呼ぶ憑きもの、民間療法を、昭和五十七年ごろの聞き書きで記す。年中行事は正月準備から一月十一日の鎌初めまでで、文の途中で切れている。